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関 雄二 編『アンデス文明 神殿から読み取る権力の世界』

臨川書店 2017年3月刊 480ページ 定価7900円+税
http://www.rinsen.com/linkbooks/ISBN978-4-653-04319-5.htm (詳細および入手情報)

古代文化興亡の地、アンデス地帯の文明形成期における権力生成の過程を探求する。アンデス地帯において長年調査を継続してきた日本調査団は、余剰生産物の出現をもって社会の複雑化が進むという従来の唯物史観を批判し、祭祀建造物の建設とその更新活動が先行することの重要性を説く画期的な仮説を1998年に提示した。本書では、その見方を発展させ、実践論などの社会科学的理論も取り込みつつ、ペルー北高地に位置するパコパンパ遺跡を主な対象とし、分野横断的に展開された研究成果をまとめている。

<目次>
序章 アンデス文明における権力生成過程の探求(関雄二)
第1部 遺構から読み解く権力生成
第1章 建築からみた権力生成(関雄二・フアン パブロ ビジャヌエバ・ディアナ アレマン・マウロ オルドーニェス・ダニエル モラーレス)
第2章 パコパンパ神殿における建築活動・景観・視線・権力(坂井正人)
第3章 自然環境における神殿の位置づけ(山本睦)
第2部 遺物から読み解く権力生成
第4章 土器分析からの視点(中川渚)
第5章 パコパンパ遺跡における生産、消費そして廃棄(荒田恵)
第6章 パコパンパ遺跡における冶金(荒田恵・清水正明・清水マリナ)
第7章 金属製作と権力(日髙真吾・橋本沙知)
第8章 パコパンパ遺跡の動物利用(鵜澤和宏)
第9章 埋葬人骨が語る社会(長岡朋人・森田航)
第10章 パコパンパ遺跡の埋葬からみた権力生成(関雄二)
第11章 食料へのアクセスと権力生成(瀧上舞・米田穣)
第3部 比較の視座
第12章 クントゥル・ワシ神殿の変容過程と権力の形成(井口欣也)
第13章 神殿がそこに建つ理由(鶴見英成)
第14章 ペルー海岸部の神殿と権力生成(芝田幸一郎)
第15章 ペルー南高地の神殿と権力生成:「周縁」から見た形成期社会(松本雄一)
終章 アンデス文明における権力生成(関雄二)
おわりに (関雄二)