中部日本研究部会開催のお知らせ



会員各位

日本ラテンアメリカ学会中部日本研究部会2021年度第1回研究会

 日本ラテンアメリカ学会中部日本研究部会では、以下の日程・内容で研究会を
開催いたします。奮ってご参加いただければ幸いです。

日時:2021年4月24日(土)14:00-17:00
開催形式:オンライン(Zoomミーティング)
参加申込:4月23日(金)までに以下のメールアドレス宛にご連絡ください。運
営委員よりZoom招待URLをお届けします。

ajelchubunihon★gmail.com (★を@に替えてください。)

<プログラム>

★第一報告:上原なつき(名桜大学)

「存在論的転回によるオープンエンドな議論は分析に何をもたらすのか?
~デ・ラ・カデナの研究をてがかりに概念の多義性を考える~」

 討論者:細谷広美(成蹊大学)

概要:アンデス研究において存在論的転回の主要な論者の一人とされるのが、マ
リソル・デ・ラ・カデナである。デ・ラ・カデナは鉱山開発に反対する先住民運
動を調査し、政府や研究者にとっては単なる自然である山が、アンデスの人々に
とっては自然の山であると同時に、アプと呼ばれる生きている存在、ともにアイ
ユを構成する主体とされているという多義性と両者間の取り違え(equivocations)
に着目し、オープンエンドな議論の可能性を示した。
概念の多義性と取り違え、存在論的転回によるオープンエンドな議論が、アンデ
スの死者儀礼や他界について研究している発表者にとって、どのような研究の広
がりをもたらす可能性があるのかについて発表する。


★第二報告:伊藤伸幸(名古屋大学)

「エルサルバドル西部出土の石彫の生と死の表象」

 討論者:芝田幸一郎(法政大学)

概要:エルサルバドル共和国チャルチュアパ遺跡エル・トラピチェ地区では、
2012年から考古学調査が継続して実施されている。当該遺跡最大の土製建造物E3
-1建造物は、エルサルバドル最大の先スペイン期の建造物で20mを超す高さがあ
る。この建造物の南側の階段部分前から2基の動物形象頭部石彫が出土した。こ
の頭部石彫には生と死の表現がある。また、この石彫はエルサルバドル西部に分
布しており、この地域の王権にも関連があると考えられる。本報告では、この生
と死に関する表現の意味をメソアメリカの宇宙観とエルサルバドル西部の権力と
関連付けて考察する。

 尚、研究会後にはオンライン懇親会も予定しています。忌憚のない議論の場に
なればと思います。皆さまの積極的なご参加をお待ちしております。


中部日本研究部会担当理事
 牛田千鶴/渡部森哉
運営委員
 丹羽悦子