JCAS「地域の総合知」シンポジウムのご案内



会員各位

岸川毅会員より以下の案内がございましたので、お知らせいたします。
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会員各位

地域研究コンソーシアム(JCAS)ではこのたび、加盟組織を横断して現代世界の課題に地域研究の観点から取り組む「地域の総合知」シンポジウムの第2回として「ロシアのウクライナ侵攻と地域研究:複眼的な視点からの再検討」を開催いたします。

■開催方法
このシンポジウムはレクチャー動画の事前視聴とオンラインのディスカッションによって行います。10月5日に3人のパネリストによるレクチャー動画を公開します。シンポジウムには動画を視聴の上でご参加ください。パネリストへのコメント・質問は事前に jcas@cseas.kyoto-u.ac.jp あてにメールでお送りいただくか、ディスカッションの際にお寄せください。10月20日のディスカッションの記録動画は、1週間限定で見逃し配信を行います。

■レクチャー動画URL
https://bit.ly/3bm4kYE

■ディスカッション
日時:2022年10月20日(木) 18:00-19:00
ウェビナーの登録URL:https://bit.ly/3BXHjGA

司会:仙石 学(北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター教授)

パネリスト:
 服部 倫卓(北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター教授)
 「ロシア・ウクライナ戦争で地域研究者が陥ったジレンマ」
 加治 宏基(愛知大学現代中国学部教授)
 「国連における中国―ウクライナと台湾をめぐる危機と安定」
 飯塚 正人(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授)
 「ロシア・ウクライナ戦争から大戦間期の中東に思いを馳せる」


■概要
2022年2月24日のロシアのプーチン大統領による、ウクライナ東部の住民を保護するために特別な軍事作戦を実施するという演説、およびその直後からのロシア軍によるウクライナへの砲撃および空襲に始まるウクライナ侵攻は、開始から6ヶ月年以上を経た現在でも解決には至らず、両者の間での対立は継続している状況にある。もちろんこの紛争は突然に始まったものではなく、2014 年のロシアによるクリミア併合とその後のウクライナ東部 2州における親露派の武装蜂起から続く両国の対立が直接的な武力対立へと結びついたものであるし、さらにいえば2008年8月の南オセチア紛争を契機とするロシアの再拡張政策が、それまでのロシア系住民およびロシア語話者の保護を主な理由とする局地的な展開から、ロシアに対抗する既存の国家に対する侵攻という新たな段階を迎えたことも意味している。
 このウクライナ侵攻の軍事的および国際政治的な側面に関しては、すでに増田雅之(編)『ウクライナ戦争の衝撃』(インターブックス、2022)〈本書は防衛研究所ホームページでも、PDFファイルでの閲覧が可能〉のような研究が出版されているが、地域研究の視点から参考になる本として、小山哲・藤原辰史『中学生から知りたいウクライナのこと』(ミシマ社、2022)がある。本書ではポーランド史とドイツ史の研究者が対談をはさみつつ、それぞれの視点からみたウクライナについて論じているが、これには同書の中でも触れられているように、ウクライナが歴史的にさまざまな国の支配や侵略を受け、またその過程でさまざまな国と関わりを有してきたことから、多様な地域からの視点によりウクライナに関して論じることが可能となっているということが関係している。またこのことは、現在のウクライナに関して、地域研究の視点から多様な見方を示すことができるということでもある。本研究会ではウクライナ、中国、および中東の専門家に依頼し、ウクライナの中からの視点、およびウクライナの外(さらにいえばヨーロッパの外)の視点から、今回のロシアウクライナ侵攻に関して多様な形での議論を展開してもらい、それをもとにディスカッションを行う。オンラインでのレクチャーをあらかじめ視聴の上、ぜひディスカッションに参加してほしい。

■お問い合わせ
地域研究コンソーシアム(JCAS)
E-mail:jcas@cseas.kyoto-u.ac.jp
Home Page:http://www.jcas.jp/