日本ラテンアメリカ学会 東日本研究部会開催(12/3)のお知らせ


日本ラテンアメリカ学会東日本研究部会では、以下の要領で、研究会をオンライン開催いたします。ふるってご参加ください。
※発表順について、現在調整中のため、変更になる可能性がございます。

【開催日時】2022年12月3日(土)13:30-16:40

【プログラム】
■ 発表1(13:35-14:30)
発表者:岩村健二郎(早稲田大学)
発表題目:キューバにおける奴隷の臨床医療と「黒人」の構築
討論者:安保寛尚(立命館大学)
質疑応答

要旨:キューバで書かれた奴隷の臨床医療についてのテクスト、バレーラ・イ・ドミンゴBarrera y Domingoの『博物学・外科的考察』(1798)、ベルナール・ドゥ・シャトーサランBernard de Chateausalinsの『キューバ地主のマニュアル』(1854)、アンリ・デュモンHenri Dumontの『黒人奴隷の比較人類学・病理学』(1876)について、それぞれのテクストの系譜、そして同時代性、すなわち順にハイチ革命とその影響、砂糖産業の勃興、奴隷制の終焉との関係について解説し、今回はとりわけ『博物学・外科的考察』における、「黒人の病」として同定された「ノスタルジー」「メランコリー」について考察する。

■ 発表2(14:35-15:30)
発表者:牛田千鶴(南山大学)
発表題目:パラグアイにおけるバイリンガル教育の展開と国民アイデンティティの醸成
討論者:藤掛洋子(横浜国立大学)
質疑応答

要旨:1992年憲法で複文化・二言語国家であることを謳い、スペイン語とグアラニー語を公用語に定めたパラグアイは、その2年後に本格的なバイリンガル教育プログラムを初等教育課程に導入した。本発表では、言語文化の保持と国民アイデンティティの醸成といった観点から、30年余にわたり展開されてきた同プログラムの理念および実践を振り返りつつ、2022年夏の現地調査報告を兼ねて、現状と課題について報告する。

■ 発表3(15:40-16:35)
発表者:宮入亮(上智大学)
発表題目:フェヘスの短編集における「貧者の文学」
討論者:花方寿行(静岡大学)
質疑応答

要旨:ブラジルにおけるマージナル文学の旗手とされる作家フェヘスの短編集『サンパウロにシロはいない』(Ninguém é inocente em São Paulo)において貧者が主体的に語り手や文化の創造の担い手となるような「貧者の文学」としての側面が確認できるのかどうかを探る。ブラジル文学の貧者を語る文学には著名な作品が存在するが、ファヴェーラでの貧しい生活の日記を綴ったカロリーナ・マリア・ジ・ジェズスのような例外を除くと、貧者が語られる対象となっている「貧者についての文学」であることが多い。こうした違いに留意しつつ、フェヘスの短編のいくつかを分析する。


【参加申込先】
参加を希望される方は11月28日(月)までに以下のフォームよりお申し込みください。
https://forms.gle/dpRAV51f8BTaSq2g7
後日、ZOOM招待URLを送信いたします。


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東日本研究部会担当理事
上英明
田村梨花
東日本研究部会運営委員
長村裕佳子