メキシコ史研究ワークショップのご案内
京都ラテンアメリカ研究所主催 第2回メキシコ史研究ワークショップ
「東西交流史研究の新たな視角ー九州とヌエバ・エスパーニャの間ー」
京都ラテンアメリカ研究所では、第2回メキシコ史研究ワークショップ「東西交流史研究の新たな視角―九州とヌエバ・エスパーニャの間―」を開催します。太平洋を舞台にスペイン・メキシコ・日本・フィリピンを結ぶ歴史を検証します。ご関心のある方はお気軽にご来場ください。
- 日時: 2012年4月21日(土)午後1時~午後5時30分
- 会場: 有田町生涯学習センター北館3階視聴覚室
- 申込不要・入場無料
<プログラム>
1:00 ワークショップ開会・主旨説明
1:15 報告1:川田玲子(名古屋短期大学)
「日墨交流史における長崎殉教事件(1597年)の歴史的位置づけ」
日墨交流の始まりを1609年のフィリピン臨時総督ロドリーゴ・デ・ビベロの漂着と捉えるのが一般的であり、2009年に交流400年記念式典が開かれたことは記憶に新しい。本報告では、1597年に起きた長崎殉教事件に1人のメキシコ人が含まれていた点に留意し、この日墨交流の始まりについて新たな視点から考察する。
1:45 報告2:伏見岳志(慶應義塾大学)
「メキシコ在住ポルトガル系商人の貿易活動」
1580年のスペイン=ポルトガルの同君連合成立以降、スペイン本国のみならず新大陸にもポルトガル系の商人が大量に流入し、その多くがユダヤ教徒を祖先に持つ新キリスト教徒であったことはよく知られている。この報告では、この商人集団のうち、在メキシコのグループの活動について、当時の商業文書などに依拠して分析する。
2:15 史料解題:阿久根 晋(京都大学大学院博士課程)
「マニラ総督ファン・ニーニョ・デ・タボラのペドロ・モレホン宛書翰に見る1620年代後期の東アジアと東南アジア」
本発表では、ポルトガルのアジュダ図書館所蔵の写本集“Jesuitas na Asia”に収載
されているマニラ総督ファン・ニーニョ・デ・タボラのスペイン人イエズス会士ペドロ・モレホン宛書翰(1629年2月18日マニラ発信)を取り上げ、その記載内容を基に、イエズス会日本管区とマニラ総督が入手した1620年代後期のアジア各地域における布教状況と社会情勢について確認する。
2:30 報告3:菅谷成子(愛媛大学)
「19世紀転換期におけるスペイン領マニラの社会の諸相」
スペイン領フィリピンでは、18世紀中葉以降、スペイン本国の「ブルボン改革」により、マニラ・ガレオン貿易に依存した植民地経営見直しの結果、スペイン領マニラ社会は、特に19世紀への転換期において、貿易の自由化の進展により近世港市として多様な人びとの集うコスモポリタン性を帯びる場として過渡的な様相を呈した。
3:00 休憩
3:15 報告4:宮原曉(大阪大学グローバルコラボレーションセンター)
「セブのメスティソとチョコレート」
セブ市・パリアンの1730年に建てられたとされるイエズス会会宅址の床下から17世紀後半に有田で焼かれたチョコレートカップが見つかった。このチョコレートカップを使ってチョコレートを楽しんだのは誰なのか、今日のセブでのチョコレートの飲まれ方から、少しずつ過去をたぐり寄せることで考えてみる。
3:45 報告5:榊 玲子(たばこと塩の博物館)
「永住丸乗組員報告からみた19世紀メキシコのたばこ」
1841年11月下旬に犬吠埼沖合で遭難し、図らずもメキシコの地を踏むことになった和船・永住丸の乗組員13人のうち、のちに日本への帰国を果たした5人が残した、異国メキシコについての報告のなかに見られるたばこに関する記述を通して、当時のメキシコのたばこ文化の一端について概観する。
4:15 休憩
4:30 ディスカッション
5:30 閉会
<会場へのアクセス>
1)JR「有田駅」から徒歩4分。「有田駅」の改札口は1つ。改札を出て、正面の道路をまっすぐいった右手。まず生涯センター図書館を抜け、右手の廊下のエレベーターで3階にあがる。駐車場あり(無料)。
2)JR「博多」からJR「有田」までは、長崎本線・佐世保線の特急(みどり号・ハウステンボス号)で約1時間20分。(博多−佐世保の2枚切符4,500円、4枚切符8,000円)
3)西九州自動車道「波佐見・有田IC」から車で10分(インターにも会場にも駐車場あり)
4)福岡空港国際線ターミナルから高速バス(させぼ号)で「波佐見・有田IC」まで約1時間10分(片道1,800円、往復3,300円)。ただし、「波佐見・有田IC」から公共の交通機関はなく、タクシーのみ。
5)福岡空港国内線ターミナルからJR「博多駅」までは地下鉄空港線で5分。
6)福岡空港国内線ターミナルと国際線ターミナル間は無料の連絡バス10〜15分。なお、JR特急、高速バスともに1時間に1本の間隔。
●会場の住所●
有田町生涯学習センター 〒844-0018 佐賀県西松浦郡有田町本町丙1002-12
TEL:0955-43-2314
●会場についてのお問い合わせ●
有田町歴史民俗資料館 〒844-0001佐賀県西松浦郡有田町泉山1-4-1
TEL:0955-43-2678 / FAX:0955-43-2802 / E-mail: nogami.takenori@gmail.com
●本ワークショップに関するお問い合わせ●
京都外国語大学京都ラテンアメリカ研究所 〒615-8558 京都市右京区西院笠目町6
TEL: 075-312-3388 / FAX: 075-322-6237 / E-mail: ielak@kufs.ac.jp
http://www.kufs.ac.jp/aboutkufs/kikan/kyotolatin/index.html
<見学ツアーのご案内>
翌日4月22日(日)午前中は、有田町歴史民俗資料館主査野上建紀氏のご好意により、有田焼の窯が残る有田町を見学させていただきます。
集合時間&集合場所 8:50 有田駅前(武雄温泉発8:29、有田着8:48の各駅停車)
解散時間&解散場所 12:10 有田駅前
見学内容 泉山磁石場(江戸時代の有田焼の原料産地)〜有田町歴史民俗資料館〜有田内山地区(伝建地区・陶山神社・トンバイ塀通り・天狗谷窯・下白川窯など)の予定。お時間のある方は、佐賀県立九州陶磁文化館の見学をおすすめします。ワークショップの会場や有田駅から歩いて5〜8分ほどで行ける距離です(見学無料)。
見学ツアー代金 500円(有田町コミュニティバス1日乗車券)
見学ツアー代金は、土曜日のワークショップの受付にてお支払いください。お釣りのないように予めご用意ください。
申込方法 氏名と人数を明記の上、ielak@kufs.ac.jpまで4月16日までにお申し込みください。
<宿泊情報> HPなどをご確認の上、各自でお申し込みください。
有田町の宿泊施設は多くありません。
民宿有田 0955(42)2537
民宿やまだ 0955(42)2080
JR武雄温泉駅周辺のビジネスホテル
セントラルホテル武雄 0954(20)1234 近くの温泉の無料券進呈プランあり
パーソナル遊 0954(23)2007 近くの温泉の割引券がついたプランあり
JR武雄温泉駅周辺の温泉宿
御船山ホテル(老舗旅館)、武雄センチュリーホテル(リゾートホテル)、京都屋(ミストサウナあり)などがあり、1万5千円前後のプランがあります。
*武雄温泉駅へは有田町からJRを利用します。所用時間は特急で15分〜20分ですが、1時間に2本程度の運行です。タクシーは4,000円くらいです。
<近隣へのご案内>
嬉野温泉:JRとバスの乗り継ぎ。
波佐見温泉:JRやバスなし。車のみ。
伊万里:松浦鉄道を利用。
- プログラムはここからもダウンロードできます。