公開講座のご案内

上智大学第35回ラテンアメリカ事情講座
アジア太平洋時代のラテンアメリカ―変貌する国際関係―
コーディネーター:岸川毅

これまで遠い存在と考えられてきたアジアとラテンアメリカの間に新たな国際関係が形成され始めています。米国は依然としてラテンアメリカで圧倒的な影響力を持っていますが、オバマ政権は、成長センターとして存在感を高めるアジア太平洋に世界戦略の重点を移し始めました。アジアの側からは、積極的な世界戦略を展開する中国がラテンアメリカに進出しています。また、広大な太平洋の両側を結ぶ経済協力の枠組みが、ラテンアメリカとアジアの国々の間で着々と成立しつつあります。

この間ラテンアメリカの内部からも新しい動きが現れました。メキシコはNAFTA 締結以降、米国との関係を強めるとともに、G20 の一員として国際場裏での地位を高め、同じくG20 の一員であるブラジルは環境や資源などの領域で地域を超えた存在感をみせつつあります。キューバはベネズエラなど急進的左派政権に加え、共産党としての友好関係を梃に中国やベトナムとの連携を強めることに、生き残り戦略を見出しています。

本講座では、グローバル化の流れのなかで起こっているこれらの動きが、地域の国際関係のあり方をどのように変えつつあるのかを検証します。

開講期間:10月4日~12月13月(毎週木曜日、午後6時45分~8時15分)
申込み受付期間: 8月29日~9月10日(上智大学公開学習センター、受講料25,000円)

1. 10月4日 変貌するラテンアメリカの国際関係 ―岸川毅(上智大学)
2. 10月11日 オバマ政権のラテンアメリカ政策ー子安昭子(上智大学)
3. 10月18日 北米化するNAFTAのメキシコー谷洋之(上智大学)
4. 10月25日 21世紀米州の安全保障:何が脅威なのか?ー浦部浩之(獨協大学)
5. 11月8日 南米のブラジルから世界のブラジルへー堀坂浩太郎(上智大学名誉教授)
6. 11月15日 古い地域主義、新しい地域主義ー堀坂浩太郎
7. 11月22日 アジア・ラテンアメリカ関係の新展開ー岸川毅
8. 11月29日 アジアとラテンアメリカを結ぶ:日系人の新たな役割
        ーアナ・エリーザ・ヤマグチ(上智大学)
9. 12月6日 アジア・キューバ関係の新展開:日本、中国、ベトナム
       ー山岡加奈子(ジェトロ・アジア経済研究所)
10. 12月13日 中国のラテンアメリカ政策:脅威かチャンスか?ー松田康博(東京大学)