研究講座のご案内(京都外国語大学ラテンアメリカ研究所)

京都外国語大学ラテンアメリカ研究所より、イベントのご案内がありましたのでご紹介いたします。

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京都外国語大学ラテンアメリカ研究所主催 第16回ラテンアメリカ研究講座
「資料と向き合うということ:ラテンアメリカ先住民社会研究の今」
http://www.kufs.ac.jp/news/detail.html?id=dd4CM64E
日時:2016年12月3日(土)09:30~16:30
会場:京都外国語大学国際交流会館4階 会議室
※申込不要・入場無料

 メソアメリカ及びアンデス地域の研究が我が国で始まったのは、1950年代の後半からであり、それからすでに60年近くの歳月が流れた。現在、日本における両地域の研究者の数は相当数にのぼり、フィールドと日本を往復して調査を行い、国際学会で発表することが当たり前のように行われているのは誠に喜ばしい。しかし、最近では専門性の度合いがさらに進み、学会やシンポジウムはテーマ設定を極めて限定したものが催されることが多くなった。学際的かつ地域横断的な議論は、それを意図して企画しない限り、なかなか成立しがたいのである。
 そこで、今回第16回ラテンアメリカ研究講座では、メソアメリカ、アンデス両地域の研究者を集め、最新の研究成果の発表というよりも、むしろ、それぞれの分野における資料の問題、すなわちその種類と性質、扱う際に生じる様々な問題、その解決法、それに基づいた最近の自分の研究について発表していただこうと思う。これによって、一方で発表者が自分の研究の創造過程を他の人々と共有することによって、かつ異なった分野の専門家と議論することで、新しい地平を開く端緒になることを意図したい。また、ラテンアメリカ先住民社会研究の「今」という最前線で苦闘する研究者たちの姿を通して、豊かなアプローチの存在と研究の醍醐味を、その舞台裏までも覗いていただくことによって感得していただきたいと思う。

プログラム

12月3日(土)
会場:国際交流会館4階会議室

09:30      開会の挨拶
09:50-10:30  「メキシコ西部村落において語られる『伝統』とその実践」
        川本直美(京都外国語大学)
10:30-11:15 「4,500mで牧畜民と対話しラクダ科動物利用の現在を考える」
        鳥塚あゆち(青山学院大学)
11:15-11:25  休    憩
11:25-12:10 「メソアメリカ地域で用いられた技術の復元における実験考古学の新しい成果」
         Alfonso Garduño Arzave (メキシコ国立自治大学) 
12:10-13:20  昼 休 み 13:20-14:05  古人骨との対話:人骨資料の多様な考古情報を複合解釈することによって得られる新たな「古代」。グアテマラ共和国南海岸地域レイノサ人骨群からの展望』
鈴木真太郎(デル・バジェ・デ・グアテマラ大学)
14:05-14:50 「16世紀中央アメリカの財政記録を読み解く:チアパス地方における金の採取と先住民の奴隷労働」 
        小原 正(慶應義塾大学)
14:50-15:00  休   憩
15:00-15:45 「時の流れの中でマヤ文書を読む:先住民資料分析の新しい視座」 
        大越 翼 (京都外国語大学ラテンアメリカ研究所)  
      15:45-16:15  全体議論
16:20   閉会の挨拶

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京都外国語大学ラテンアメリカ研究所主催 特別講演会
「マヤ地域における文化的肉体変工の考察:歯牙装飾と頭骨変形に関して」
http://www.kufs.ac.jp/news/detail.html?id=rRR8tdSs
日時:2016年12月5日(月)18:15~19:45
会場:京都外国語大学国際交流会館4階 会議室
※申込不要・入場無料

 「文化的に己の肉体を変工する(Biocultural modifications)」。これは歴史的にも広く人類史に知られた行為である。現代で言えば、若者達が自らのアイデンティティを誇示するために入れるタトゥーや、美的観点からのピアシングもそれに当たるものであるし、古く古代ギリシアではヘロドトスやヒポクラテスが当時エジプト領で行われていた頭蓋骨の文化的変形を記録している。もちろん古代マヤ世界も例外ではない。タトゥーやフェイスペイントはもちろん、頭骨変形や歯牙装飾等の恒久的な肉体変工も積極的に行われ、碑文や壁画等で当時の人々の生き生きとした姿を見ることができる。本発表はこういった文化的、恒久的な肉体変工を古人骨上で直接同定し、これを彼らの考古学的な発掘コンテクストや副葬品と複合解釈することによって、その社会的な意味を再検証・議論するものである。従来型の考古学では支配階級のシンボルとされている古代マヤの頭蓋変形は、本当に支配階級だけのものなのか?歯牙装飾の目的は?こういった疑問に一定の解答を示す。

●お問い合わせ●
京都外国語大学ラテンアメリカ研究所
〒615-8558 京都市右京区西院笠目町6
TEL: 075-312-3388 FAX: 075-322-6237 E-mail: ielak@kufs.ac.jp http://www.kufs.ac.jp/ielak/index.html