中部日本研究部会開催のお知らせ


会員各位

日本ラテンアメリカ学会中部日本研究部会では、
以下の日程・内容で研究会を開催いたします。
事前申し込み等は不要ですので、奮ってご参加
いただければ幸いです。

<日時> 2019年4月14日(日)14:00-17:00
<場所> 南山大学Q棟102教室
交通アクセス http://www.nanzan-u.ac.jp/Information/access.html
キャンパスマップ http://www.nanzan-u.ac.jp/CMAP/nagoya/campus-nago.html

<プログラム>
★第一報告:杉山知子氏(愛知学院大学)
「ラテンアメリカの移行期正義・ポスト移行期とグローバルな動き」

概要:本報告では、ラテンアメリカにおける移行期正義・ポスト移行期正義の現状と真実と正義をめぐるグローバルな動きについて考察する。アルゼンチンやチリでは体制移行期において、権威主義体制下の人権侵害について真実や正義を求める動きがみられた。1990年代には、エルサルバドルやグアテマラの和平プロセスにおいて国連が真実委員会や歴史究明委員会を設置した。21世紀になると真実と正義をめぐる動きは、ラテンアメリカ諸国だけでなく、国際社会におけるグローバルな課題としてとらえられるようになった。アルゼンチンやチリの事例を中心に、ラテンアメリカ諸国における移行期正義・ポスト移行期正義についての動きとグローバルな課題としての移行期正について検討する。

討論者:二村久則氏(名古屋大学名誉教授)

★第二報告:谷口智子氏(愛知県立大学)
「日本とペルーにおけるタキ・オンコイ研究の新潮流―水銀中毒問題―」

概要:日本とペルーにおけるタキ・オンコイ研究の新潮流について論じる。これまで16世紀ペルー副王領で起こったタキ・オンコイは、巡察師クリストバル・デ・アルボルノスが立身出世のために誇張したアンデス先住民の宗教運動、千年王国運動やメシアニズム、といった説が大半を占めていた。ところが最近の研究傾向において注目されているのは、ワンカベリカ水銀鉱山との関係である。ワンカベリカ水銀鉱山はタキ・オンコイが最初に巡察師オルベラに発見された同じ1564年にエンコメンデーロ、アマドール・デ・カブレラによって操業が開始された。そこではインディオの労働制度ミタを利用して、半ば強制的な鉱山労働が強いられた。水銀は銀を生成する水銀アマルガム法によって利用されるため、ワンカベリカ鉱山で水銀の精製が必要になった。そこで採掘される鉱石の粉塵からインディオ労働者はけい肺になるだけでなく、水銀の蒸留水が空気中に充満するだけで、水銀中毒症状に陥ることになった。ペルーと日本における最新の研究動向から、タキ・オンコイと水銀中毒問題について論じる。

討論者:河邉真次氏(愛知県立大学非常勤講師)

尚、研究会後には懇親会も予定しています。
忌憚のない議論の場になればと思います。
皆さまの積極的なご参加をお待ちしております。

中部日本研究部会担当理事
谷口智子
牛田千鶴
(連絡先:牛田 ushidac@nanzan-u.ac.jp)