写真展 カパック・ニャン:遥かなるインカ道 開催のご案内(京都外国語大学)
京都外国語大学ラテンアメリカ研究所の多田さまより、下記の写真展の案内がありましたのでお知らせいたします。
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写真展 カパック・ニャン:遥かなるインカ道 開催のご案内
展覧会:6月10日(月)~7月27日(土)
場所: 京都外国語大学 国際文化資料館 (10:00~17:00 日曜・祝日休館 入場無料)
13世紀から15世紀までアンデス地域に栄えたインカ帝国は様々な文化を持つ民族集団で構成され、相互に密接な交流を持っていました。その媒体となったのが総延長3万キロメートルにも上るインカ道と呼ばれる道路網でした。
今回、在名古屋ペルー共和国総領事館と京都外国語大学共催で、このインカ道を紹介する写真展を開催致します。
特別講演会・ギャラリートーク:
6月15日(土)13:30~15:00
―講演―「インカ帝国を歩く」 渡部森哉(南山大学)
15世紀から16世紀にかけて南米大陸に台頭したインカ帝国。その実態については、主にスペインで書かれた記録文書を基に再構成されてきた。一方で、各地に残る遺跡はインカ帝国の存在を物語る物質的証拠であり、その調査研究が考古学者によって精力的に進められてきた。例えば南北4000KMにおよぶ広大な範囲に張り巡らせた道路網、道路上に設置された地方行政のための施設などがある。
本講演ではインカ帝国の概要について説明した後、インカ帝国の遺跡と道路について、講演者の調査結果を交えながら解説する。
6月29日(土)13:30~15:00
―ギャラリートークー 大平秀一(東海大学)
7月13日(土)13:30~15:00
―講演—「変わりゆくアンデス高地の生活と旅の道」 鳥塚あゆち(関西外国語大学)
インカ帝国の首都として栄えたクスコ市は、現在ではペルー随一の観光都市となり、絶え間なく観光客を迎え入れている。クスコ市はクスコ県の中心部に位置しているが、そこから南へ100kmも行くと標高4000mの高原が広がり、「インカの末裔」といわれるケチュアの人々が暮らしている。彼らのなかには、農作物が育たない高地で、リャマやアルパカを飼って生計を立てている人たちもいる。このような人々は、標高の低い農村まで荷運び用のリャマと共に下り、食料となるジャガイモやトウモロコシを、収穫の手伝いや物々交換をすることで入手してきた。そこには、インカが帝国のいたるところに敷いた「インカ道」のような立派な道はないが、リャマとの旅の道が確かに存在していた。しかしながら、このような生活や旅のあり方は近年になって大きく変化し、旅の道は幹線道路に上書きされてしまった。
本講演では、アンデス高地に暮らす牧畜民の生活の変化、リャマとの旅と道の記憶、生業の変化に伴う人間関係の変化を取り上げ、道がもたらす文化の変容について考えたい。
お問い合わせ:
京都外国語大学 ラテンアメリカ研究所
〒615-8558 京都市右京区西院笠目町6
TEL: 075-312-3388 FAX: 075-322-6237
E-mail: ielak@kufs.ac.jp
http://www.kufs.ac.jp/ielak/index.html