会員新刊情報
水谷裕佳 『先住民パスクア・ヤキの米国編入―越境と認定』
北大アイヌ・先住民研究センター叢書 2、北海道大学出版会、2012年3月15日、5250円
このたび著書を出版いたしましたので、ご案内させていただきます。
本書は、米国とメキシコの国境地帯に住む先住民族ヤキのうち、米国側に住むパスクア・ヤキをトライブとしての政府認定に導いた要因について記述する。さらに、パスクア・ヤキが法的、社会的、文化的に米国先住民という大きな枠組みに編入される過程を、米国先住民研究の観点から考える。
目次
図表目次
凡 例
「話す樹」
序 章
第1章 現代のパスクア・ヤキを取り巻く議論
1. エスニック・スタディーズおよび米国先住民研究の観点と手法
2. 米国におけるインディアン・トライブ認定制度
3. 米国における個人単位での先住民認定制度
4. ヤキの文化と社会
5. パスクア・ヤキは米国先住民か――1994年の論争
6. 先住民と米国=メキシコおよび米国=カナダ国境
第2章 メキシコにおけるヤキの反乱と越境の再考
1. メキシコにおけるヤキの迫害
2. 迫害期のメキシコ政府によるヤキ政策
3. 米国のメディアにおける迫害期のヤキ像
4. ヤキの米国集団移住の再考
第3章 米国南西部における観光産業と先住民
1. アリゾナ州トゥーソン市の米国編入と開発
2. 米国南西部の開拓と観光産業の振興
3. 先住民の観光資源化
4. 観光産業とヤキの人々の関わり
第4章 難民労働者から米国先住民へ
1. アリゾナ州におけるエスニシティ
2. ヤキと南西部の労働市場
3. ヤキと米国の移民政策
4. アメリカ・インディアン運動との連動
5. 汎インディアン意識の広まり
6. ニューエイジ運動によるヤキ・イメージの創造
第5章 先住民認定後のパスクア・ヤキ社会
1. 保留地を基盤としたトライブ運営と現在の暮らし
2. 誰がパスクア・ヤキに属するのか――個人認定と語りを巡って
3. パスクア・ヤキと米国の人々の関係性
4. パスクア・ヤキと,パスクア・ヤキ研究の展望
終 章
年 表
付録1 インディアン再組織法の概要
付録2 パスクア・ヤキ・トライブ憲法の概要
付録3 パスクア・ヤキ・トライブ憲法(改正中)取締規則第7部:研究に関する事項
文献一覧
あとがき
索 引
原語表記一覧
北海道大学出版会ウェブサイト
http://hup.gr.jp/modules/zox/index.php?main_page=product_book_info&products_id=812