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カルロス・エステベス,カルロス・タイボ編『反グローバリゼーションの声』

大津真作訳、晃洋書房、2013年11月、265ページ
(原本:Carlos Estévez y Carlos Taibo. Voces contra la globalización. 2008)

 本書は、世界のあちこちに、とくに「南」と呼ばれるアジア、アフリカ、ラテンアメリカに、失業と貧困と暴力、戦争、流行病、渇き、飢餓をまき散らしている新自由主義的、「資本主義的グローバリゼーション」に対して、多様な視点から批判的に切り込み、反グローバリゼーションの世界における諸運動を紹介した問題の書である。
 もともと本書はスペイン国営放送で行われたノーベル賞受賞者二人(アドルフォ・ペレス・エスキベル、ジョゼ・サラマーゴ)を含む、各領域で輝かしい業績をあげている国際的な著名人、アントニオ・ネグリ、スーザン・ジョージなどに対するインタビューを編集出版したものである。

目次 
はじめに
凡例  
序章 よりよい世界のために――カルロス・エステベス  
第一章 別のモラルは可能だ――フランソワ・ウタール  
第二章 別のグローバリゼーションが必要だ――スーザン・ジョージ  
第三章 多数者(マルチチュード)の抵抗――アントニオ・ネグリ  
第四章 二一世紀の大変化――ジェレミー・リフキン  
第五章 資本主義の諸相――ホセ・ビダル・ベネイト  
第六章 世界の主(あるじ)――ジャン・ジグレール  
第七章 帝国の根拠――サミ・ネール  
第八章 帝国と明白なる運命――ハウメ・ボテイ  
第九章 呉越同舟――エイミー・グッドマン  
第一〇章 ラモン・フェルナンデス・ドゥラン――ネオコン化するヨーロッパ  
第一一章 恐怖との戦い――エドゥアルド・ガレアーノ  
第一二章 マルコス、反逆する尊厳と権――力イグナシオ・ラモーネ  
第一三章 変革のための社会勢力――アドルフォ・ペレス・エスキベル  
第一四章 アラブ世界のインターネット革命――ファーティマ・マルニーシー
第一五章 ガイア仮説とわれわれ――ジェームズ・ラブロック  
第一六章 崩壊の道――トーマス・ラブジョイ  
第一七章 まだ希望がある――ミゲル・デリーベス・デ・カストロ  
第一八章 農民の道――ジョゼ・ボヴェ  
第一九章 グローバルな論争――ヴィットリオ・アニョレット  
第二〇章 市民たちの権力――フェデリコ・マヨール・サラゴサ  
第二一章 視覚時代の人類(ホモ・ウィデンス)の――ジョヴァンニ・サルトーリ  
第二二章 希望を再び考える――ジョゼ・サラマーゴ  
第二三章 未来を閉ざすグローバリゼーション――マヌ・チャオ  
終章 グローバリゼーションの神話とその危機――カルロス・タイボ
訳者解説