会員新刊情報

山岡 加奈子 編 『岐路に立つコスタリカ──新自由主義か社会民主主義か』

アジ研選書No.36  2014年2月(http://www.ide.go.jp/Japanese/Publish/Books/Sensho/036.html

ラテンアメリカ最長の民主主義体制を誇るコスタリカは、また非武装政策や、福祉国家としての手厚い社会政策で注目を集めてきた。また近年では外資を積極的に導入し、高い経済成長を記録している。しかしコスタリカは1980年代の累積債務危機以来、新自由主義的な経済政策に徐々に転換しつつあり、その転換は政治制度や社会制度にさまざまな影響を与えている。本書は過去15年間のコスタリカの変容に焦点を当て、債務危機以前の社会民主主義を依然として支持する層と、新自由主義への転換は不可避であると信じる層との間で揺れる同国について、多面的に分析している。

【目次】
序章  「コスタリカ―民主主義、福祉国家、成長、そして新自由主義」  山岡 加奈子
第1章 「コスタリカ・リベラル・デモクラシーの成立と変容」 尾尻 希和
第2章 「コスタリカにおける民主主義の価値判断―近隣諸国との比較―」 久松 佳彰
第3章 「コスタリカをめぐる国際関係―米国との関係を中心に」 山岡 加奈子
第4章 「中米の福祉国家における新自由主義改革―コスタリカの社会保障制度改革―」 宇佐見 耕一
第5章 「コスタリカの教育―制度および政策―」 米村 明夫
第6章 「コスタリカにおける工業化の進展と課題」 北野 浩一
第7章 「コスタリカにおける地域格差と新たな農村開発戦略」 狐崎 知己
終章  「進路を決めかねるコスタリカ―新自由主義をめぐる分極化」 山岡 加奈子