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山﨑 眞次 著『メキシコ先住民の反乱――敗れ去りし者たちの記録』
成文堂、2015年1月
本書は、政府やアセンダドによる不当な土地の強奪によって、共同体を破壊された先住民農民たちの無念の思いを代弁する書である。彼らは理不尽な要求に対して敢然と大義を掲げ武装蜂起し、道半ばで倒れた。伝統的共同体を浸食する近代資本主義に対する最後の戦い。新しい波に呑みこまれることを潔しとしない者たちの反逆。土地を奪われた者たちの怒り。彼らの闘争の記録は正史には綴られてはいない。言わば歴史の陰である。その陰に光をあてるのが本書の試みである。
〈目次〉
序章
第1章 ユカタン半島のカスタ戦争
第2章 チャルコの農民、フリオ・ロペスの反乱
第3章 アリカの虎、マヌエル・ロサダの反乱
第4章 ヤキ族の反乱
終章
あとがき