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『格差社会考:ブラジルの貧困問題から考える公正な社会』
奥田若菜『格差社会考:ブラジルの貧困問題から考える公正な社会』神田外語大学出版局、2021年4月6日、192ページ、定価1,200円
本書は、ブラジル社会を事例として格差や貧困問題について考えることで、読者自身が生きる社会の理解を深めることを目的としています。貧困の数値化、社会階層区分、歴史的に不平等な社会構造、貧困層の生活実践、貧困の責任論、支援のあり方などを扱っています。また、ブラジルで論争を巻き起こす人工妊娠中絶やアファーマティブ・アクションを、社会階層を切り口に論じています。大学生や一般の読者がブラジルや世界各国の格差を理解し、今後の社会のあり方を考える上で土台となる本です。
(おおまかな章立て)
序 格差と貧困
第一章 数字と歴史でみる格差社会
・・・貧困の測り方、世界における富の分配、ブラジルの階層分類
第二章 格差社会における貧困の責任論
・・・貧困者への批判、貧困の「発見」、格差と感染症
第三章 マジョリティとしての貧困層
・・・インフォーマルセクター、農村部と都市部
第四章 中間層と富裕層、そして貧困層
・・・階層間の移動、下向きの批判、貧困を解決する義務の所在
第五章 社会問題と格差
・・・中絶、人種、アファーマティブ・アクション
第六章 より公正な社会を目指すために
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