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『タキ・オンコイ 踊る病―植民地ペルーにおけるシャーマニズム、鉱山労働、水銀汚染―』


谷口智子編著『タキ・オンコイ 踊る病―植民地ペルーにおけるシャーマニズム、鉱山労働、水銀汚染―』 春風社、2023年3月、330頁、定価4,700円+税


スペイン植民地支配に抵抗する、16世紀ペルーにおけるインディオの宗教運動とされていた「タキ・オンコイ(踊る病)」。これが水銀鉱山でインディオが半ば強制されたミタ労働での水銀曝露に由来するものであったとする「タキ・オンコイ水銀中毒説」を、歴史学、医療人類学、環境化学、宗教学の立場から検証する。


目次

第1章 人類の宗教史における水銀とシャーマニズム(谷口智子)
第2章 スペイン帝国下のアルマデン水銀鉱山ーその歴史と水銀中毒(立岩礼子)
第3章 「囲いに入れられた神」と「赤く顔を塗られた神」(谷口智子)
第4章 16世紀ペルーにおけるタキ・オンコイと水銀(ルイス・アルベルト・サンタマリア・ファレス)
第5章 タキ・オンコイにおける人体への水銀汚染をどう捉えるのか(中地重晴)
第6章 タキ・オンコイ、憑依、ハサミ踊り(谷口智子)
第7章 タキ・オンコイから鉱山の悪魔までーその社会的アプローチ(ルイス・アルベルト・サンタマリア・ファレス)
第8章 アンデスの創造力における「収奪」のイメージータキ・オンコイとピシュタコ及びコンパクダート(谷口智子)